●未公開企業におけるS/Oの会計処理2
未公開企業では、ボラティリティの観察が困難なため「単位当たりの本源的価値」をもってストックオプションの公正な評価単価に代えることが認められています。そして、「単位当たりの本源的価値」を算定するにあたっては、未公開企業の株式価値を評価する必要が生じます。
この点について、ストックオプション会計基準適用指針の制定にあたり、未公開企業の自社の株式価値の評価方法についても検討されました。
結論としては、「どのような評価方法が最も適切であるかは、それぞれの企業の置かれた状況や評価のための技法の発展状況等、様々な条件によって異なる得るため、あらかじめ適用指針において、評価方法を定めることは必ずしも適切とはいえない(適用指針60項)」として、特定の評価方法を定めることはしませんでした。
そのため、同61項において「企業価値の実態を最もよく表し得る株式価値の評価方法は、企業の発展段階に応じて異なり得る。したがって、株式価値の評価方法に関しては、その開示を条件に、それぞれの評価時点において、企業価値を最もよく表し得ると考えられる方法を採用すればよいと考えられる」としており、開示を条件に合理的な評価方法を採用すれば良いと考えられています。
したがって、未公開企業においては、自社の株式の評価方法も注記事項とされています。