●公正価値の算定基準日は付与日であるべきか
ストックオプション会計基準では、ストックオプションの公正価値を付与日時点において算定し、その後は条件変更等がなければ見直さないこととしています。しかし、そのような会計処理がなされると、場合によっては希薄化の度合いが適切に把握されないおそれが生じます。
ストックオプション会計基準では、ストックオプションの公正価値を付与日時点において算定し、その後は条件変更等がなければ見直さないこととしています。しかし、そのような会計処理がなされると、場合によっては希薄化の度合いが適切に把握されないおそれが生じます。
ボラティリティについての概念は様々な解説書の中で見ることは多いのですが、その具体的な算出方法については、きちんと解説しているものは多くないようです。
そこで、誰にでもできるボラティリティの簡易的な算出方法を解説します。
ボラティリティはオプション評価のうえで重要は基礎数値であることは誰もが認めているところです。しかし、専門家ではない限り、ボラティリティを「株価の変化の度合い」と解釈している人が多いようですが、厳密に言えば、この考え方は間違っています。
では、ランダム・ウォークに基づいた株価変動モデルについて、説明しましょう。現時点の株価が100円であるB株が、明日は1%上昇するか、同じく1%下落するかの二通りの経路しか持たないという簡略化したモデルを設定します。
ボラティリティを理解するうえで欠かせないのが、株価の動きに関する知識です。 オプションの評価モデル(算定技法)にはいくつか種類がありますが、すべてに共通していることは「株価はランダム・ウォークする」という前提です。「ランダム・ウォーク」とは「株価の将来の動きは、過去の動きには一切影響を受けずランダムに推移する」ことを意味します。
金融工学の世界ではこの公正な評価額を論理的に算出する技法が様々生み出されました。ひとつにはブラック・ショールズモデルに代表される解析的手法また二項モデル、モンテカルロ・シミュレーションに代表される、数値的近似手法に大別されます。
稀代の投資家であるウォーレン・バフェットもストック・オプション発行が与える企業価値への影響について、今から8年も前の1998年のバークシャ・ハザウェイの年次報告書にて、洞察に満ちたコメントを載せています。 またストック・オプション評価を阻もうとする、産業界の動きに厳しく警鐘を鳴らしています。