SO費用計上によるインパクト
ストックオプション会計基準適用後にストックオプションの発行を表明した上場各社のIRリリース(2006年5月1日〜5月30日)から、各社の予想費用計上額を概算し、それが前年の純利益に対してどれだけの割合を占めているかを算出したデータがあります。(プルータス調べ)
各社の(予想費用計上額/当期純利益)の割合は、全体平均で約9%となりました。(当期純利益が赤字の企業は含まず。)これは、ストックオプションの発行が、確実な減益要因になっていることを示す客観的な事実です。
また、業種毎の平均は、一番高いもので情報・通信の32%、次いでサービス業の26%、小売業の18%、卸売業の16%となっています。この四業種においては他業種が全て8%以下であるのと比較すると、突出して高い結果となっています。
これは、情報・通信に関しては株価変動性、いわゆるボラティリティが高い新興市場のベンチャー企業が多くを占めるために、ストックオプションの評価単価が高いことが考えられます。また、サービス業は業態の特性上、付与対象が幅広く、どうしても発行数が多くなってしまうことが原因であると考えられます。これは小売業、卸売業にもあてはまるでしょう。
グラフ:2006年5月以降にSOを発行する企業の費用インパクト